プラズマ技術

プラズマプロセスに、新発想。 独創的な発想から生まれた、「低インダクタンスアンテナ(LIA)」

低インダクタンスアンテナ(LIA)

低インダクタンスアンテナ(LIA)とは?

液晶ディスプレイなどの大面積化に伴う、プラズマ源の大型化。従来のプラズマ源(容量結合プラズマ源や誘導結合プラズマ源)では、プラズマの均一性や基材へのプラズマダメージなどが大きな問題でした。イー・エム・ディーは大阪大学と共同で、インダクタンスを極力低減した特殊構造の小さなアンテナ(低インダクタンスアンテナ:LIA)を多数配置する「マルチアンテナ方式」を開発。誘電体で覆われたアンテナを真空容器内に配置し、高周波電流を流すことで高密度なプラズマを発生させることができます。プラズマの低電位化 (プロセスの低ダメージ化、高品質化)を図るとともに、任意の形状・大きさのプラズマ生成が可能。均一で高密度なプラズマを発生でき、大きなガラス基材や長尺なフィルム表面に対しても、ほとんど損傷のない薄膜形成を実現します。

外部アンテナ方式の問題点

従来のプラズマ処理装置に採用されている、アンテナを誘電体壁の外部に設置した外部アンテナ方式。メートルサイズ以上の超大面積に対応したプラズマ源へ拡張する場合、機械的強度を保つため誘電体壁を厚くする必要があります。その結果、誘導電界強度が著しく減衰して放電効率が極めて悪い構造となり、実用化を阻害する要因となっています。

内部アンテナ方式の問題点

放電効率的には内部アンテナ方式が原理的に有望ですが、内部アンテナ方式ではアンテナとプラズマとの静電結合が顕著となるため、その抑制が極めて重要となります。

低インダクタンスアンテナ

各々のユニットに供給される高周波信号の位相制御を行うことにより、隣接するユニット間での位相関係で決まる実効的なプラズマ中の電子の加速ポテンシャルを変化。放電特性(特に電子エネルギー分布)の制御を可能としました。
また、内部アンテナは独立した高周波増幅器により駆動されるため、大面積化においても 誘導結合プラズマの低電圧駆動が可能。さらに、各々のモジュールに供給される高周波電力を独立に制御できるため、プロセス中における均一性の能動的制御も実現できます。

特許概要

EMDは、科学技術振興機構(JST)よりプラズマ技術の優先的実施許諾を受けています。

当社は、科学技術振興機構(JST)のプレベンチャー事業に採択された「高性能ポリシリコン薄膜」の研究成果をもとに、大阪大学発のベンチャー企業としてスタート。プラズマ発生装置やマルチアンテナ方式、プラズマ制御方法などにおける優先的実施許諾を受けている特許を多数保有しています。